メリーゴーランド37

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「何だよ、早く言え!」
「せっかちなんだから。あの子ね、申し分ないお嬢様ってことになってるけど、実は、結構、自分の思い通りにならないと気が済まないらしく、大学時代も友人の彼氏を好きになって強引に取っちゃったとかさ……」
 えらいお嬢様やん。
 千雪もつい心の中で呟いた。
「これは信用のおける筋からの情報なんだけど、狙ったターゲットに女がいようと、その女に徹底的な嫌がらせをしてわかれさせたとか」
「で、とっちゃった彼氏はどないなったんです?」
 心の声のはずが口にしていた。
「どないもこないも、一人や二人じゃないみたいだし、中学の頃からだっていうから、飽きると捨てられちゃうんじゃない? 可愛い顔して悪魔よねぇ」
 ケラケラと理香は笑う。
「とんでもないのに目をつけられちゃったわね? 京助。せっかく、千雪さんと愛の語らいに専念したいのに」
「お前、ターゲットの女になれよ」
「は?」
 のらりくらりとからかっていた理香に、いきなり京助が言った。
「だから、お前、あの女に、京助はあたしのもんだから近づくなって宣戦布告してやれよ」
 さすがに京助の言い草に理香もムッとした。
「ちょっとお、それ、ほんとに失礼だから! 仮にも昔の女に向ってそれはないんじゃない?」
「何が昔の女だ。超大昔に、ちょっと遊んだだけだろうが。お前こそイケメンからイケオジはべらせて、遊びまわっているくせに」
 食って掛かる理香に、京助はさらりと言い放つ。
「あんたって、好きな子以外はほんっとどうでもいいのね?」
「塵に等しい。よくわかってんじゃないか」
 それは千雪も感じていることだ。
 千雪をとことん甘やかして世話をするが、千雪以外の誰に対しても、箸一つ動かしてやらない。
 紫紀は誰に対しても優しい笑みを浮かべ、女性にはすかさずドアを開けてやる、それは小夜子に限らずだ。
 そこがこの兄弟の面白い対比だ。
 だが、千雪もよく思っていたことがある。
 女の子の中には、形勢不利になると泣けば許してもらえると思っている子が割といる。
 それってどうなんだろう、と。
 女の子は男の子より身体が華奢にできているのだから、そこは考えてやらないと、というのはわかる。


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