十二月二十四日はクリスマスイブ、日本では、クリスチャンであろうがなかろうが恋人同士、仲間、同僚、ファミリーでプレゼントを贈り合い、ケーキとチキンを食べて楽しく過ごす日と決まっている。
カップルで過ごす友人に負けじとイブまでに合コンで相手を見つけようとやっきになったが結局相手をゲットできずに、見栄を張るとクリぼっちという過ごし方になる。
ともあれイベントにのっとって、三田村がクリパやるぞと研二や辻を招集し、研二から千雪に通達があった。
クリパといってもそれぞれが酒とつまみを研二の部屋で持参しての飲み会だ。
「何や、クリスマスイブに誰も欠けんと集まっとるし」
ニヤニヤと辻が持参したスコッチとつまみが入った袋を開いた。
「そう言うお前も早々と来とるやないか」
三田村が辻を揶揄しながらグラスをリビングのテーブルに運ぶ。
「これ、持ってくわ」
千雪がキッチンから大皿に盛られたローストチキンや生ハムやチーズの盛り合わせなどを持って行こうとすると、「あ、まだ盛り付け足りんからこっち持ってって」と研二にガラスの器のシュリンプの盛り合わせを渡された。
「俺はそこまで非力やないで」
ブツブツ言いながら千雪がシュリンプをテーブルに運ぶと、「研二はほんま過保護やからな」と三田村が笑う。
「俺は今日は大切な日や言うて、冷やかされながら会社の飲み会パスって来たんやで」
「自慢にもならんやろ」
辻の言い草にケチをつけながら三田村はシャンパンをアイスペールに突っ込んだ。
「京助さんは放っといてよかったんか?」
三田村に聞かれて、「京助は年末になるとモルグに籠りきりやし、俺は締め切りに追われてるし、クリスマスなんてここ数年知らんうちに過ぎとったわ」と千雪は言った。
「飲み会なんて久しぶりや」
「ちがーう、クリパだろ?」
千雪の科白を否定した三田村は小さ目のクリスマスツリーまで持参した。
「桐島は?」
「ベルリンでクリスマスコンサート。俺らにクリスマスなんてものは今までかつてあれへんかった」
ケーキを用意したのは千雪だ。
なかなか手に入らないと評判のパティシエに予約を入れたところ、キャンセルがあったとかでうまく手に入ったのだ。
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