「もし今後、引っ越すことになったかて、引っ越し先なんか自分で探すし、今日は小夜ねえが人数が少ないからて、駆り出されただけやし。俺は小夜ねえのただの従弟で、家族とかやないし、紫紀さんが俺にまで世話焼いてくれる必要もない」
断固として千雪は言い切った。
冗談やない!
住むとこまでお前の目の届くところやなんて、これ以上がんじがらめになるんはもう御免や。
食事の世話焼いてもらうだけでも俺は京助に依存しまくってる。
そんなん、距離を置くどころの騒ぎやないわ。
せえけど、俺、一人になったらちゃんと立っていられるんやろか。
京助はフン、と鼻で笑った。
「わかったよ。んな、キリキリ怒るほどのことじゃねぇだろ」
千雪のアパートに着くまで、京助はそれ以上もう何も言わなかった。
だが、当然のように京助は部屋に上がり、千雪がシャワーを浴びて出てくる間に、翌朝のサンドイッチを作り、冷蔵庫にしまった。
千雪と入れ替わりにシャワーを浴びた京助は、疲れてうとうとしていた千雪を引き寄せる。
京助に依存しているのはわかりきっているのだが、その夜、千雪の心は何故だかスカスカとそぞろ寒い風が吹き抜けていくような気がして、京助の腕に身を委ねてしまった。
煙草の匂いが入り混じった京助の慣れ切った匂いは千雪を安堵させ、後ろから千雪の中に入り込んで揺さぶる京助に、そのうち思考も何もわからなくさせられると、千雪はただ甘く悦んで京助に縋り付いていた。
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