お正月12

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 いつもいきなりだが、今夜は千雪も抗う気にはなれなかった。
「妙に素直じゃねぇか」
「新年の挨拶やろ? ただの」
 フン、と千雪は睨み返す。
 京助はふっと笑う。
「Happy New Year!」
 京助が言った。
「あけましておめでとうございます」
 千雪は丁寧に返して、「酒、のうなったな、熱燗……」と立ち上がろうとしたが、その腕を引かれて、倒れそうになり、危うく京助の膝の上にすとんと腰を下ろしていた。
「熱燗よりお前がいい」
「は? そらおおきに」
 一応遠慮してみたつもりだが、京助には通じるどころかすっかりその気でいる。
「新年最初の行事、やろうぜ」
「おい、何が行事や、ちょ……こら待て」
 京助はもう聞く耳は持たないようだった。
 千雪の腕を引いたまま春に帰った時に京助が使った和室の襖を開けた。
「え、いつの間に……」
 そこにはちゃんと布団が敷いてあった。
「布団ってのもなかなかいいもんだな」
 エロオヤジなセリフを吐いて早速脱ぎ始めた京助を千雪はちょっと呆れて見つめた。
 それもすぐに京助に布団の上に転がされた。

 


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