お正月20

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「あ、あけましておめでとうございます!」
「しゃっちょこばって、わかった、これからリクルート?」
「はあ、実は京都の会社に、て、やめてくださいよ、先輩、正月に、お年賀ですがな。第一、俺、上に行くつもりやから就活なんかしてまへんし」
 ひとしきりまくし立てた後、佐久間は大きめの袋を差し出した。
「そらまた、ご丁寧にどうも。…………上がって、いくか?」
 酒らしい包みが入っている袋を受け取ると、玄関先で返すのもさすがに可哀想だとは思うのだが、半分帰ってくれないかという期待を持って、千雪は言った。
「何や、すごい賑やかですね」
「同級生集まっとるんや」
 言外に部外者は遠慮せい、という意味を込めて言ったつもりだった。
「京助先輩もいてはるん?」
「……まあ……」
「ほな、ちょっと挨拶させてもらいますわ」
 にしても何や、やたらジロジロと人の顔を見よって。
 もともと図々しいやつに遠慮などという文字はなかったのだと改めて再認識しつつ、千雪は仕方なく佐久間を上げた。
「千雪くんの大学の後輩?」
「イケメンやねぇ」
「ほんまやわ」
 早速三人ムスメが佐久間に興味を持ったらしい。
「遠慮せんとこっち来なさい」
「家、どこなん?」
「ねえ、大学で千雪くん、どんな感じやの?」
 住田がグラスを持たせ、桐島がビールを注ぎ、江美子がにっこり笑って聞いた。

 


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