佐久間はにやにやとこれからの夜のことにエロく妄想を馳せていた。
「あ、ねえねえ、あそこ入ろう! 青くてきれい!」
いきなり理紗子に腕をとられて、佐久間はそのままブルーの灯りに彩られたバーのドアの取っ手を引いた。
ペパミントという名前の通り、店内は淡いブルーの空間が広がっている。
実際はたいして広くはないのだが壁一面の鏡のせいで狭さを感じさせない。
長いカウンターが奥へと延び、最奥にソファを置いたテーブルがあった。
「あたしマーテル」
バーテンダーの一人が理沙子のコートと佐久間のジャケットを受け取ってクローゼットに引っ込むなり、理沙子は早速スツールに陣取った。
「えっとじゃあ、俺はスコッチ、シングルで」
どうせ払いは理沙子持ちなのだが、やはり男としては気兼ねもある。
表向き調子のいい男ではあるのだが、学生だということを差し引いても佐久間にはそれなりに葛藤はあった。
俺って、ちっさ……
そんなことを気にしてしまう自分を心の中で蔑んでしまう。
「ねぇ、やっぱりビンゴ!」
急に理沙子が佐久間の肩をつついて、小声で囁いた。
「え、何が?」
「ほら、奥、超セレブのイケメン、最近この店にちょくちょく顔を出すって噂、耳にしたのよ」
奥、と言われて何気なく目をやった佐久間は、「え、京助先輩?!」と思わず口にする。
「うわ、さっすが、お相手は超美人」
理沙子の言葉で佐久間は京助の横にいるのが確かに超美人だとすぐに納得する。
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