ペパミントの夜 5

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「まあま、心配するなって。誰もお前が天下の名探偵だなんて思っちゃいない。俺の連れの女って羨ましそうに見てるだけさ」
「……女って!」
 それこそ冗談じゃない。
「だぁから、お前がおとなしくさえしてれば、何もバレやしないってことさ」
「やから、夜中にあちこち出歩いたりするからやろ!」
「そりゃ、気分を盛り上げるためにきまってるだろうが。何、ムードなんかどうでもいいから、すぐ本番いきたいって?」
 ヘラヘラと笑う京助に怒りを通り越して呆れた千雪はすくと立ち上がる。
「ひとりでほざいとったらええ。帰る」
「おい、待てっての」
 今度は本気で千雪を怒らせたらしいと、京助は慌てて後を追う。
 カウンター席の後ろを通らないと出口に行けないため、千雪は無言で佐久間の後ろを通り過ぎる。
「あ……先輩、奇遇ですね」
 つい、二人を目で追っていた佐久間は京助に作り笑いで声をかける。
「よう」
「いつの間にあんな超美人と。今度紹介して下さいよ」
「ふん、お前こそ、せっかく捕まえた彼女に逃げられるなよ」
 ぽんと佐久間の肩を叩き、京助はレジに向かった。

 


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