みんなはっぴぃ 2

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 残念ながら、小学生に入る頃にはもう、藤堂にはサンタが架空の人物で父親が扮装をしてプレゼントを子供たちに配って回るのだということはわかってしまった。
 だが、聡明な、そして厳しくしつけられた長兄やガキ大将な次兄の行動を見て育った三男坊の彼は、外見上本当に信じている振りをして両親を喜ばせる術を心得ていた。
 また藤堂はボランティアに専念している母親と一緒に施設をまわったりしたことで、おじいさんやおばあさん、或いは親がいなかったり、親と離れて暮らさざるを得ない子供たちにプレゼントを配ると、どんな笑顔が返ってくるか、それを見ることの方がプレゼントを自分がもらうことよりずっと嬉しいのだと、いつ頃からか思うようになった。
 それが、気前よく周りの人間に思いつく限りのプレゼントをしてしまう、『サンタ藤堂』発祥の要因だったのだろう。
 だがしかし。
 今年もクリスマスパーティを企画していた藤堂は、パーティ会場は昨年同様、ちゃっかり、長年の悪友にして同僚である河崎達也の広いマンションを予定していたのだ。
「それをあのやろう!」
 まんまと大きなもみの木を発注して藤堂の新居に届けさせたのは河崎だ。
 しかも河崎家に保管されていた、昨年使った飾り付け用のクリスマスアイテムも箱ごと送りつけられた。
「いつもは細かいことなんかにてんで気がつかないくせに小細工しやがって!」
 だがそれもこれも、悠さえいれば、という気にもなるというものだ。
 可愛い恋人のために、昼には弁当を売っている近所の小料理屋で、二人分のなかなか豪勢な弁当を買うと、藤堂はいそいそと自宅のあるマンションに入っていった。
「あ、ども! お邪魔してます!」
 悠の顔を見て和もう、なんて思っていた藤堂だが、気配を感じて飛んできたアイちゃんのあとから彼を迎えたのは髭面の高津だった。

 


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