朝になったらしく、厚ぼったいカーテンの向こうは明るそうだ。
身体が鉛のように重い。
酔ってはいたが、藤堂に抱きしめられてからの記憶はあった。
不意にめちゃくちゃ乱れてしまった自分が思い出されると、恥ずかしさで身体の痛みなどどうでもよくなってしまう。
悠が目覚めた時はもう藤堂は出かけていて、テーブルにはスクランブルエッグにサラダの朝食と、メモが添えられていた。
『からだがつらかったら、連絡をくれ。迎えに行くから』
メモ書きを読んで、悠は唇を噛む。
そうだよな、きっと藤堂は大人の優しさで、自分を甘やかしてくれただけなのだ。
俺が酔って絡んだから。
涙がこぼれてメモをぬらした。
back next top Novels