花さそう22

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 頭にタオルを巻いてバスローブ姿のアスカは、良太の注意にも馬耳東風で、カウンターに入って行くと、ソーダをグラスに注いでゴクゴクと飲んだ。
「はあーっ、生き返った」
「オヤジな発言!」
「うるさいわね、良太。ちょっと長湯し過ぎちゃって、喉乾いちゃって」
 そこへ牧や森村、浩輔がキッチンからやってきて、アスカを見て目が点になる。
「あ、あの、良太さん、俺らこれから風呂行きますけど」
 森村がすぐに我に返って良太に声をかけた。
「じゃ、俺も行こうかな」
 何となくまだ工藤と一緒に酒を飲むのが名残惜しい気もしたが、良太は立ち上がった。
「また、バスローブだけでうろついてる!」
 重ねて文句をつけたのはちょうど階段を降りてきた秋山だ。
「ただでさえ若い独身男性が多いのに、はた迷惑でしょうが」
「いいじゃない、バスローブ着てるんだから」
 アスカは口を尖らせて秋山に反論する。
「おい、アスカ、飲み過ぎて朝寝してっと、また朝メシくいっぱぐれるぞ」
 最後にキッチンから出てきた京助がアスカを認めて、別の文句を言った。
「一杯や二杯、どうってことないわよ! 良太に絶対目を覚ます曲を教わったから大丈夫」
 工藤はその絶対目を覚ます曲というのに心当たりがあった。
「あの、けたたましく煩い曲か?」
 すると直子がケラケラと笑う。
「やだ、工藤さんも? あれ絶対目覚ますでしょ? Blitzkrieg」
「直ちゃんに教わったんですよ。絶対目、覚まします」
 良太が言うなり、森村が直子のもとに歩み寄って、「Blitzkrieg、いいよね!」と言い、歌詞をちょっと口ずさむ。
「あ、好き?! 超好き! メタリカがカバーしてるのもいいよ!」
「そっちも好き! ギター、smashing!」
 いきなり二人でメタル談議が始まってしまった。
 良太は笑って、「先、風呂行ってるからな」と声をかけると、浩輔や牧と風呂へと向かった。
「おい、アスカ、ほどほどにしとけよ」
 京助はウオッカにソーダを入れて飲んでいるアスカに言い置くと、良太たちの後を追う。
「アスカさんって自由奔放?」
 彩佳が理香にコソっと言った。
「アスカのお爺様と京助の父親が同窓で、ちっちゃい頃からここ遊びに来てたから自分ちみたいなもんなのよ」
 理香がハハハと笑う。
「着替えてきてから飲んだらいいでしょう」
 秋山はカウンターバーに張り付いているアスカを窘める。
「これ飲んだら部屋に戻るからいいの。秋山さんも何か飲むんでしょ?」
 これ以上何を言っても無駄だと秋山はカウンターの中に入って、グラスにコニャックを注ぐ。
「皆さん、ご要望があったら作りますよ。カクテルもOK」
 秋山はソファで寛いでいる面々に向って言った。

 


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