花さそう47

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 良太と森村は朝飯前とばかりに、早朝森村の車で慌てて工藤の別荘に向った。
「やっぱり平さん、もう雪除けしてるし」
 別荘に着くと、シャベルで門のあたりの雪を避けている平造がいた。
「平さん、俺らやりますから」
 良太が降りて平造に声を掛けると、「これしきの雪、お前さんらの手を借りるまでもないわ」と作業を続ける。
「でもほら、せっかく工藤さん、旅行手配してくれたし、戸川さんもいらっしゃいますから、お二人で朝食にしてください」
 工藤の名前を出すと、ようやく平造は手を止めた。
 雪の中車を敷地内に入れると、森村もやってきた。
「俺らにお任せください! 力有り余ってますから!」
 まさしく元気が有り余っている声で森村が言った。
 ふん、と森村を見やり、「怪我をするなよ」と言いおいて平造は屋敷の中に入って行く。
 除雪機も使うつもりだったらしく、傍らにスタンバっている。
「じゃ、俺、このあたりやってますから、良太さん、除雪機使えます?」
 森村に問われて、「うん、前に、やったことがある」と良太は除雪機のガソリン量を確認した。
 レバーを操作して動かしながら除雪していくのだが、なかなかこれがあるのとないのとでは作業効率がすこぶる違う。
 玄関から門まで良太が除雪機で雪を避けて行く間、手作業でやるべきところを森村がせっせとシャベルを動かした。
 玄関前の雪を大方除けると、良太は裏の薪小屋の方へと除雪機を進めた。
 一時間もかからずに雪が片付くと、二人は外に出てきた平造と戸川に挨拶した。
「おはようございます」
「大雪でどうなることかと思ったが、きれいに片付いたねえ。若い人はいいねえ」
 戸川がしきりと感心する。
「午後から雪も止むって予報でいってますし、それまでゆっくりしてください。何か不都合があれば、またいつでも連絡してください」
 平造と戸川にそう言いおくと、良太と森村は綾小路へと向かう。
「結構重い雪でしたね」
「そうだな。そういや、ニューヨークも雪降るんだよな?」
「吹雪! すごい寒いし! 二月とか結構こんな感じで雪除けするし」
「スキーとかしなかったんだ?」
「うーん、スケートとかしたけど、スキー場まで行ったりはなかったな。波多野さん、いつも忙しかったし、俺もバイトしてたから」
「そうか。遊びって何してた?」
「サバゲー?」
 即答されて良太はなるほどと納得するしかない。
「いやあ、でもよかったです。俺、スキーとかこんな面白いと思わなかったし」
 森村は朗らかに笑う。
「何より、温泉、食事つきって、やっぱあり得ない」
「だよなあ。温泉はさすがにないよな。ま、有難く利用させていただけばいいんじゃないか?」
「ですね~、それにいろんな人がいて楽しいし!」
 まあこれだけ喜んでくれれば、誘った甲斐もあるよな。
「でも、腹減ったあ」
 訴える森村に、良太はハンドルを握りながら笑った。 
 


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