花さそう50

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 そこへ雪の中を走ってきた沢村と秋山が戻ってきた。
「そろそろ小やみになってきたぞ」
 そう言うと、沢村はダイニングに置いてある冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出して一気飲みした。
 秋山も同じようにドリンクをがぶ飲みすると、「さすがについて行くのは難しい」と口にした。
「俺らは常にやってるんで、自分のペースでやらないと身体に負担がかかりますよ」
 沢村は言った。
「こういう時のために、トレーニング機材を入れるように兄貴に言っておくか」
 下拵えを済ませた京助がボソリと言う。
「それ、ええ考えや」
 研二は頷くと、いくつか作った菓子の試作品を持ってキッチンを出た。
「試作品やけど、食べる人」
 声を掛けると、近くにいた女性陣と良太がすぐに手を挙げた。
「わ、可愛い!」
「美味そう!」
「感想、お願いしますわ」
 研二はそう付け加えると、キッチンから急須と茶わんの日本茶のセットをトレーに乗せてきた。
 研二のお菓子とお茶を堪能しているうちに時間は過ぎ、良太が窓の外を見ると雪は止んで青空が見えていた。
「あ、晴れてきた!」
 アスカが立ち上がる。 
「午後はスキーできそうですね」
 途端に良太も心が浮き立って笑った。
 午後からは待ってましたとばかりにみんなスキー場を目指して車を走らせたが、大抵近場に向かったようだ。
 良太と工藤、森村、牧はまた同じメンツで最短で行けるスキー場に決めて、行く前に工藤の別荘に寄った。
 ちょうどリビングでは平造と戸川がでかけるばかりに用意を整えて、穏やかに語らいながら待っているところだった。
「お疲れ様です、社長」
 工藤を認めた平造は立ち上がった。
「夕べは休めましたか?」
 工藤は戸川に尋ねた。
「お陰様で。夕べは平造と遅くまでちびちびやってました。ほんとにありがとうございました」
 戸川は人の好さそうな顔で笑った。
「そろそろタクシーが来る頃ですね」
 良太は携帯を確認し、空模様を窺った。
「雪はこれからそんなに降らないようですし、道路もスムースに走ればいいですね」
 やがてタクシーが二台到着した。
 道中気を付けて、と二人を送り出すと、玄関の鍵を確かめて、良太はほっとした顔でハンドルを握る。
「じゃ、行きますよ」
 携帯で捜査して門を閉めると、ようやく車は走り出した。
「近場だとどうしてもここですよね、お客さん多いですよね~」
 スキー場の駐車場に車を停めると、それぞれスキー用具を手にゲレンデへと向かう。
「ミーハー連中ばっかだな」
「工藤さん、それオヤジ語」
 工藤の呟きに良太が反応する。
「そんなこたどうでもいい。人が少ない上級コース行くぞ」
 ドスドスと歩く工藤に、「え、俺、そんなのムリです~」と良太がこぼす。
「モリー、どうする?」
 牧が聞いた。
「行ってみたい」
「言うと思った」
 牧と森村はニヤッと笑う。
 クソォ、こうなったらついてってやる!
 良太は反骨精神をメラッと燃やしながら後に続いた。

 

 


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