休養してほしいとは思うのだが、無理に休養することがストレスになっては元も子もない。
そういえば、沢村と佐々木はどこに行ったのだろう。
まあ、いい大人なんだし、俺が心配するようなことはないか。
「さてそろそろ行くか」
最初に立ち上がったのは京助だ。
夕食の準備があるからそうそうのんびりもしていられないようだ。
相変わらずお山の大将気質の京助だが、あの面倒見の良さはある意味杉田さんにも通ずるところがある。
知る人ぞ知るだが、忙しい時以外は食事だけでなく、千雪の弁当まで作っている。
俺なんかニャンコたちの世話だけで手一杯なのに。
みんなの車が連なるように一斉に綾小路の屋敷に入って行く。
ほとんど同じスキー場にいたようだが、午後だけというのでかえって集中して滑れたかもしれない。
工藤は何やら風呂掃除にやりがいを見出したかのように、屋敷に着くとすぐ、風呂へと向かった。
宇都宮や秋山、それに三田村や辻、牧と森村も風呂へと向かう。
午前中まで風呂は自由に入れることになっており、掃除は夕方と決まっていた。
直子や彩佳も風呂掃除に混じって張り切っていたが、アスカは直子にやめた方がいいと一刀両断された。
「え、何でよ!」
「うーん、掃除用具に合わない人ってほんとにいるんだってわかったから」
意味不明の理由で直子に追い出されたアスカだが、実はさっきモップを使おうとして滑って転んでべちゃべちゃになり、どこか怪我をしていないかと心配した直子に付き添われて部屋に戻って着替えたものの、直子にダメ出しをくらったというわけだ。
指に怪我でもしたら大変という理由で、恵美も風呂掃除をさせてもらえない一人だった。
「キッチンに行っても、危ないから休んでてッて言われるし。家では普通にやってるのにね」
「あたしなんか、お前に食器なんか持たせたら壊すのが関の山だだって! ほんっとに失礼なヤツ! 京助ってば!」
仕方なくピアノのそばで恵美とアスカは二人でお茶を飲んでいるのだった。
アスカらの代わりに良太と公一、一仕事終えた浩輔がキッチンで京助や研二のアシスタントとなって動いていた。
野菜を洗え、皮を剥け、と次から次へと指令が下る。
それでもほとんどプロのような二人の段取りや手順など、その仕事ぶりを見ているだけでも面白かった。
その通りにはできなくても、これならやってみようかと思えることも多々ある。
工藤に何か作ってやれるかもしれないという目論見も良太にはあった。
今夜はいくつかの鍋がいろいろな煮込み料理で湯気をたて、京助は肉を焼く用意をし、研二は魚を捌いてお造りにしている。
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