東京に入ると、藤堂が運転するSUVは直子を送るために関越自動車道を降り、首都高に入った他の車は一ツ橋出口から沢村の車が降ると、それ以外の車は外苑出口から辻が運転するチェロキーに続いて一旦青山プロダクションへと向かう。
しんがりの工藤のベンツが会社の駐車場に乗り入れると、加藤や研二、辻が工藤と良太の荷物を降ろしていた。
「ありがとうございます、そこに置いといていただければ」
良太は車を降りると加藤らを労った。
「皆さんへのお土産上に持って行きましょうか?」
森村が車から降ろした紙袋を持って良太に言った。
「いいよ、そこに置いといてくれれば。それより牧さん、送ってやって」
最近車で帰ることも多くなった森村のために、会社でマンションの近くに駐車場を借りてあった。
「じゃ、お疲れ様でした」
「ありがとうございました」
ぺこりと頭を下げた牧が森村の車に乗り込んだ。
「いやあ、すっかりお世話になったね~」
宇都宮が言った。
「お世話したのは京助さんらですよ」
良太は笑った。
「ほんとだね。こんなに至れり尽くせりだとは思わなかったよ。何か御礼しないとね」
「あ、お礼はこちらでしますから」
「いやあ、久々、仕事を忘れて楽しかったよ。今日なんかも目いっぱい滑れたし、温泉までもらっちゃって」
「そうなんですよ、去年行って楽しくて」
「俳優とかそういうの関係なくいろんな人と話せたし、うん、よかった」
「そう言っていただけると、お誘いした甲斐があります」
宇都宮が喜んでくれたらしいことに、良太はちょっと胸を撫で下ろした。
「宇都宮さん、お送りします」
研二が呼んだ。
「じゃあ、次は仕事でね~」
「お疲れ様でした」
車に乗り込む宇都宮に声を掛けて、良太は頭を下げた。
辻と加藤は研二のマンションで今日は泊るらしい。
「えっと、俺らも帰っていいかな」
車を降りてからもずっと美亜と二人でしゃべっていた小笠原がやっと気づいたように聞いた。
「ああ、お疲れ様でした。ちゃんと美亜さんお送りしろよ」
「わかってるよ」
「とっても楽しかったです。ありがとうございました」
美亜も明るい笑顔でそう言うと、小笠原の車に乗り込んだ。
小笠原たちが去ると、秋山とアスカはまだ仕事のスケジュールの確認をしていた。
「お疲れ様です。中で休みますか? 寒いですし」
良太が声をかけた。
さすがに東京は軽井沢程ではないにせよ、冬の夜は風が冷たい。
その間に工藤は荷物をエレベーターに乗せている。
「ああ、もう帰ります。お疲れ様。今度のスキー合宿も良太ちゃんのお陰だな」
秋山が言った。
「良太も、ちゃんと休みなさいよ」
「軽井沢で充分休みましたよ」
珍しくアスカが良太を気遣った。
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