工藤はそれを許さず、良太を引き戻すと上向かせて唇を奪う。
「…やだってっだろっ!」
息をつぐ間にまた逃れようとする良太を、工藤は力ずくで抱きしめる。
舐るように良太の口腔を蹂躙しながら、少し痩せた肩を指でなぞる。
自分でアピールしているように大学まで野球をやっていただけあって、そこそこの筋肉はついているのだが、それでも入社してから良太はトレーニングなどする間もなかったのだろう、痩せるばかりのような気がする。
それも自分がそうさせたのではないかと工藤は思わずにはいられず、あんな女を妬くほど慕ってくれるのだと思うと愛しさが募り、細い身体を唇で啄み、指で愛撫する。
盛りのついた若い者でもあるまいに、余裕で良太の身体が熱を持つようになるまでじっくり喘がせるつもりが、もう立っていられない程良太の身体が熟れてきているのがわかると、良太の身体を裏返すように壁に手を突かせて、堪らずその腰に己を押し入れた。
あとはひたすら良太に悲鳴のような声をあげさせ、二度ほどいかせてやると、満足いくまで久々の良太を味わい尽くしていた。
珍しく深く眠った気がして目が覚めると、枕元のデジタル時計は既に七時を回っていた。
だが、猫の子のように擦り寄って眠っている良太を起こすのを躊躇い、かなり疲れさせた負い目もあって工藤は起き出すのをやめた。
こんな風に朝を迎えることに慣れてしまうのが、正直怖い。
幸せそうな良太の家族のことを思うと、良太を奪ってしまうようなマネはできないと何度考えたことか。
だがもう今さら良太を手離すことなどできそうにない自分とのせめぎ合いで、工藤は焦燥感を募らせる。
それに、森村がバイトをすることくらいどうってことはないはずなのだが、波多野と繋がっている者を会社内に入れることに、自分の闇の部分を引き込むような気がしてどこか抵抗がある。
森村のことは一度波多野と話してみる必要があるな。
ビザとか何とか言っていたが、森村はすると日本国籍ではないわけか。
波多野のことについても工藤は必要最低限しか知りたくもないと考えていた。
すると波多野も国籍は日本ではないかも知れない。
まあ、そんなことはどうでもいいことだ。
ようやく目を覚ました良太が、工藤の目と合うと恥ずかし気に慌ててベッドを降りようとするので、工藤は笑ってまた一つキスをしてやった。
深くなり過ぎてまたぞろ身体の奥の残り火を刺激してしまう。
良太の方もキスだけで身体が蕩けていくのがわかると箍が外れた。
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