「な…んだよ、寝てたんじゃなか……」
良太の文句は工藤のキスに邪魔された。
「ちょ、待て……」
待ても何も聞くつもりもなく、工藤は執拗に唇を重ね良太の口腔内を嬲る。
息が上がって力が入らない良太の身体を弄り始める工藤に、「え、こんな真夜中に……なんだよぉ……」と口では抗ってみるものの、ほんとは、今夜抱き締めてほしかったんだ、と心の中で良太は呟く。
ただ工藤の状況がもう抱き締めるだけでは済まないのはわかっていた。
ったく、このオヤジはよ………。
大抵、首から胸からキスで啄まれてあちこち弄られ、昂る良太は既にオヤジの手の中で、もうオヤジのやりたいようにやらせるしかなくなるのだ。
ふっと思考が途切れたと思った時には既に腰を高くあげさせられ、工藤は腰を進めていた。
「や……あっ…や……」
ローションのお陰で工藤でいっぱいいっぱいになった良太は悲鳴とも上擦った吐息ともつかぬ意味不明の声をひたすら上げた。
「よう、来よったな」
風は冷たいながら青空が広がった午前十一時、横須賀にある中堅どころのユースドカー専門店『ピーターパン』の店長辻誠は、良太の運転するジャガーが駐車場に入ると、わざわざ良太と森村を出迎えてくれた。
「モリー、よかったやんか。仕事決まって」
「はいっ、お陰様で!」
「荷物も運べる、日本の路地を入ってける、でかくないタイプの車、ってのがモリーの要望やったな」
良太が電話である程度のモリーの希望を伝えていたので、辻は何台かお勧めを用意してくれていた。
フォルクスワーゲンパサート、アウディA4アバント、ボルボのショートワゴンV40など、良太がみてもどれも甲乙つけがたい。
「試乗してみや」
既に森村は目を輝かせて辻からキーを受け取った。
良太は森村が試乗している間、屋内のテーブルセットで、コーヒーを飲んでいた。
「なんや、えろ、お疲れ気味やな」
辻が向かいに座ってニヤリと笑う。
「あ、まあ、夕べは森村の歓迎会で………」
一応そんな理由を口にしてみたものの、実際は夜中に工藤に疲れさせられたわけで。
ったく、疲れて寝てるのかと思えばあのオヤジは!
とはいえ、昨日の良太の心理状態は工藤を求めていたと言っても過言ではない。
っても、別にそーゆー意味ってわけじゃないぞ。
というのも強がりだとわかっている。
何だか無性に不安になってしまって、まるで工藤はそんな良太の心の内をわかって抱き寄せてくれたような気がして。
気がしただけだったけどな!
結局はやりたいだけやりやがって!
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