「アスカさんと奈々ちゃん、良太が頭下げたでしょ? 竹野が出るなら共演NGって割と多いらしくて決まってた女優が降りたんだよね」
「そりゃ、良太にお願いされたら、嫌だとは言えないわよ」
「本谷もね、実は竹野と付き合ってた日下部がひどい振られ方して役を降りたからって、坂口さんが良太に誰かいないかって聞いたら、本谷はどうかって、良太が。別に工藤さんが本谷推してるってわけじゃない。『からくれないに』も千雪さんが推薦したとかって話になってるけど、千雪さん、俳優とか知らない人だしね」
良太から聞いた、本谷が工藤に告った話というのは、本谷主演のドラマの頃だから、工藤のこととは関係なく本谷をキャスティングしたということになる。
アスカは頭の中で分かっていることを並べて確認をした。
「実際、最近の青山プロダクションって、工藤さんが動かしているようにみえて、実はその工藤さんを動かしているのは良太だってことですよ」
「何が言いたいのよ」
「いや、良太を侮っちゃいけないってことですよ。彼は会社のお陰で生きてるとかじゃない、稀代のプロデューサー工藤や坂口さん、監督や脚本家を陰で動かしてる。それこそ実は良太Pが工藤さんを動かしてるんじゃないか?」
くすりと笑い、秋山はつづけた。
「良太は工藤さんが忙しすぎて良太に丸投げしてるって思ってるみたいだけど、あの工藤さんが、信用できないやつに丸投げするわけないでしょうが。現にアスカさん、出番が増えたってこぼしてたけど、それってアスカさんが評価されているってことでしょ」
その言葉はアスカも納得できた。
「それで? ひとみさんと何を企んでるんですか?」
「え……」
これだから秋山は油断がならない、とついアスカは口を尖らせる。
「本谷のことですか?」
アスカは眉をしかめて秋山を見つめた。
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