風そよぐ14

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 確かに、工藤は少し休暇を取るとか、した方がいいに決まっている。
「セーブしたくても、無理やり仕事を押し込んでくるあんたみたいな人がいるから、なかなかできないんですよ。あんたこそ、毎晩のように飲んだくれてちゃ、明後日ぶっ倒れるくらいが関の山でしょうが」
「ハハハ、ま、煙草はここんとこ何とかやめてんだよ」
「どのくらい続きますかね」
「お前こそ、少しは煙草、減らしてんのかよ」
「少しはね」
 そういえば、工藤が煙草を吸っているところをあまり見なくなった。
 鈴木さんも社長室の灰皿に煙草が一本だけだったと、喜んで良太に教えてくれた。
 まあ、でも、忙しくなるとまた本数が増えるかもしれない。
 俺も、ぶーたれてばっかいないで、少しでも工藤の仕事を減らせるように頑張んないと。
 ファイト、俺! と良太は心の中で拳を握る。
「そういや、良太ちゃん、こないだグッドフォローだったって? 溝田のやつがえらく褒めてたよ」
「え?」
「何か、本谷が竹野にコテンパンにやりこめられてたところを、正義のミカタ良太ちゃんが、えいやーって収めてくれたから、そのあと撮影もスムースだったって」
 ああ、と良太は思い当たった。
「何ですか、その正義のなんちゃらって。ああいうときは美味いもん食べて一息つくのがいいんじゃないっすか?」
「それがなかなか、誰にでもできるわけじゃないんだよ。工藤、お前、いい部下を持ったよな。ちったあ感謝しろよ?」
「それが仕事でしょうが」
 坂口ににべもなく工藤は返す。
 ほうら、どうせ工藤なんかそんなとこだっつうの。
 よくやった、なんて、言うわきゃないじゃん。
「お前な、今時はやらねーぞ、そんな昭和なオヤジ!」

 


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