それでも今日中には帰ってこられたし、とにかくシャワーを浴びたかった。
上着を脱いで手に抱え、シャツは腕まくりしているが、この夏最高にじっとりと湿度が高い。
作業中に取って食べたピザが何だか胃に重い。
夏バテに疲労、いろいろ重なっていそうだ。
部屋は最近、二十八度に設定しているが、それでも猫には寒すぎる時もあるらしく、猫ベッドで二つダンゴになっていることもある。
帰るなり、わらわらと猫たちが駆け寄ってきて、しばし癒しのひと時だ。
「うう、お前らのお陰で俺は何とかやれてるんだ~」
二つの猫を交互に撫でてやると、まずごはんと水だ。
それからトイレをきれいにしてやって、ようやく良太はシャワーを浴びにいった。
「撮影日は決まったし。いい絵が撮れればいいんだけど」
コックを止めてから、良太は独り言ちた。
下柳が作業をしているスタジオで、良太は児童劇団に連絡を取り、藤堂や佐々木、スタッフとスケジュールが合う日を決めて、またそれぞれに連絡を入れた。
「月曜日、朝十時、児童劇団の前の公園です。午後か翌日から雨みたいで、何とかお天気ももってくれるといいんですが」
前回もそうだったが、藤堂は児童劇団に出向く時は必ず、サンタのようにお菓子をたくさん入れた袋を持参する。
袋だと何が出てくるかわからないのが、子供たちの興味をそそるようだ。
「藤堂さんて、ほんと、面白い人だよな」
藤堂、佐々木との仕事は何だか楽しい。
東洋商事の仕事も気は抜けないが、きっといいものになるような気がしている
七月に入ればまたこのメンバーでアディノのCM撮影だ。
良太は一応、沢村に押し付けられた代理人という立場なのだが、立ち会えるのはこちらはこちらで別の楽しみがある。
アスリートの撮影というのは初めてだった。
例え被写体が沢村でも、やはり何か期待感が否めない。
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