ローカルニュースで今朝の撮影現場の画像とともに事故のことがチラッと流れたらしく、心配して連絡をしてきたらしい。
「広瀬さんがケガしたって? スタッフ関連からも連絡入って、お前のファンがどっと押し寄せて、広瀬さんが一緒に怪我したっていうからさ」
「あの、女の子が押されて車道に倒れそうになったのを広瀬さんが庇って歩道に倒れ込んで、女の子は怪我はなかったみたいなんですけど、広瀬さん、まだ容態わからないらしくて、俺心配で」
「まいったなあ、ニュースより、SNSで拡散してんだよ、本谷のファンがケガしたとか、ファンが押したスタッフがケガしたとか、デマだか事実だかわからないようなのが画像付きで……よりによって怪我したのが工藤さんとこの広瀬さんとか、ああ、うちにも怒鳴り込んできそうだなあ、工藤さん」
「え、そんなことになってるんですか? すみません」
本谷は驚いた。
そういえばさっきから携帯も見ていなかった。
浜野は悪い男ではないが、少々小心者のところがあって、上の顔色を窺うのが常だ。
ただ、タレントのことは色々考えてはくれるのだが、もう一人抱えている女優の小佐田亮子が結構精神的に弱いところがあって、少々ウツも入っているというので、最近、そっちにかかりきりという現状なのだ。
「いや、本谷が悪いってんじゃないから」
「それが今朝、俺、時間間違えて遅れてしまって」
「え、まさか撮影遅らせちゃったとか?!」
焦っているのが電話越しに伝わってくる。
「いえ、それは何とか……」
すると浜野の長い溜息が聞こえた。
「ちょっと部長に話してみるわ。とにかく、さ、お前、引っ越し考えた方がいいぞ。まあ、そうだな、今のドラマが終わったら、少しは時間取れるかもだしさ」
「はあ、そうですね、考えてみます」
携帯が切れると、本谷は気が気でなく、すぐに青山プロダクションに電話を入れた。
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