「客観的な意見を述べただけですよ。応援は結構です」
「遠慮しなくったって」
アスカとこそこそしょうもないやり取りをしていると、秋山の携帯が鳴った。
「お疲れ様です。そうですか、それはよかった。工藤さんは時間まで? わかりました。ええ、何だか皆が良太を心配して集まってまして。あ、亜弓さんもいらしてます」
電話の向こうでしばし間があったが、「悪いがこっちまで送ってきてくれ」と言って工藤は電話を切った。
「工藤さんからで、良太は今、夕食を完食しても足りないので、プリンを食べているそうです」
オフィス内の皆がどっと笑った。
「食い意地戻ったらいつもの良太だな」
小笠原が言った。
「プリン大好きだもんね」
「何するんもまず食うてからやもんな」
アスカや千雪も笑う。
「面会時間もありますし、亜弓さん、そろそろ病院行きましょうか」
秋山が亜弓に言った。
すると亜弓はちょっと小首を傾げて、「やっぱり、いいです。あたし、帰ります」と言う。
「びっくりして飛んできちゃったけど、もう大丈夫みたいだし、それに」
亜弓はオフィスを見回して、つづけた。
「何か、こうして皆さんが兄のこと心配して来てくださってるのみたら、何か安心しました。これからも兄のことよろしくお願いします」
亜弓はぺこりと頭を下げた。
「そうか、家はどこ? 送りましょうか?」
宇都宮が言うのをアスカや秋山は、え、という顔で見た。
「うわあ、すごい嬉しいですけど、静岡なので新幹線に乗らないと。明日授業があるし」
「おや、そうなんだ、じゃあ、東京駅まで送る前に、食事、しませんか?」
「ええええええ」
亜弓は一瞬にして舞い上がる。
「え、ずるい、あたしもお腹すいた。ご一緒してもいいでしょ?」
すかさずアスカが便乗した。
back next top Novels
にほんブログ村
いつもありがとうございます
