「わかってますよ。ほんとにご心配おかけしました」
良太もぺこりと頭を下げた。
「良太ちゃんが大事にならなかったってわかったからだから、はしゃいでもいいお酒だったと思うわよ。私もそれに少し便乗してしまったんだけど、ほんとはね、ほら、宇都宮さんいらしてたでしょ」
あらら、ここにも宇都宮フリークがいたんだっけ。
良太はいつぞや、鈴木さんがオフィスに現れた宇都宮のことを素敵な方ね、何て言っていたのを思い出した。
「だからちょっとだけ、混ぜていただいたのよ。宇都宮さんて、ホント気取らないのに何をやっても決まってるみたいな感じで、ここでお仕事させていただいてる役得よね」
「ほんとです、宇都宮さんて、カッコつけてるつもりなくてもカッコいいですよね」
「でしょ?」
鈴木さんはちょっとお茶目に笑う。
宇都宮のスケジュール優先なので、今撮影中の映画のロケが終わり次第、来月に入ったらまた『田園』の撮影がある。
あんな形になったものの、次会っても何ごともなかったかのように話せそうなところが、また宇都宮の不思議なところだ。
「明日からまた『からくれないに』の撮影だし、今日はのんびりさせてもらったからビシバシいかないと」
「良太ちゃん、無理しないのよ? 明後日は京都に行くんでしょ?」
「ええ、動かないと身体もなまっちゃうし」
真中や奈々からもラインが入って、良太を心配してくれた。
奈々は三日間オフで実家に戻っているところだったので谷川も知らせなかったのだが、やはりネットニュースを見たらしかった。
仕事に戻ってるしかすり傷だからご心配なく、と良太は二人に返した。
志村や小杉はCM撮影のため北海道から秋山と連絡を取ったらしく、秋山経由で少し休養した方がいいというメッセージを受け取った。
ネットのニュースなど見ない軽井沢の平造からも、カンパネッラのシェフ吉川から聞いたらしく連絡が来た。
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