「さすが藤堂さん、情報網すごいですね。お見舞いはいいんですけど、お見舞い金、どうしようかって。工藤にはまだ話してないんですけど」
良太はまだテーブルに置いたままの紙包みを目で示した。
「くれるっていうもの、もらっちゃえばいいよ」
事も無げに藤堂は言う。
「でもこれ、結構ありますよ?」
「三百万くらい?」
直子が言った。
「すごい、直ちゃんもわかるの?」
「大体、目見当でね」
「事務所側も本谷くんの人気をそろそろ認識して動いた方がいいとは思うんだけど、よその会社のことに首を突っ込むわけにもいかないしね。大体ああいう大手はすぐ金でかたをつけようとするけど、根本的なところを解決しないことにはどうにもならない」
藤堂が頷きながら言った。
「俺もつい、差し出がましいけどって、本谷くん専属マネつけたらとか言ってみたけど、浜野さんではどうにもならないみたいで」
良太は眉を顰めつつ言った。
「所属する事務所によって、俳優さんたちもいろいろ大変ですわね」
鈴木さんが早速大テーブルの上で花瓶に花を活けた。
華やかな明るさで、オフィス内の空気も変わるようだ。
「そうだ!」
藤堂がポンと手を叩く。
「そのお見舞い金で、青山プロ側で本谷くん用のアシスタントバイトをつけるとか」
「うちは直では難しいかもですよ? うーん、バイトならわからないけど」
良太も小首を傾げる。
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