携帯の時刻は九時を回ったところだった。
「怒らせるかよ! 俺はお前を心配してんの」
「俺はもう全然、平気だよ。今夜、神宮だろ? どうだったんだよ」
「何だよ、チェックもしてねぇのかよ。四の二だ」
「ワリぃな、仕事、で忙しかったんだよっ」
ウソのつけない性分はそんな時、言葉がつっかかる。
「仕事って、映画の?」
「まあ、そうだよ」
「お前、仕事し過ぎじゃねぇの?」
「怪我してから、ゆるくやってるって」
その時、背後からいつの間にか電話を終えた工藤の腕が良太の腹にまわった。
思わず声を上げそうになって、慌てて、「んじゃ、明日、早いから」と良太は携帯を切る。
「ちょ、何………」
「寝るぞ」
振り返った良太を抱え上げるように立たせると、工藤はそのままベッドに連行する。
「何でパンツなんか履いてるんだ、ジラシか?」
抵抗も何もさせる間もなくベッドに押し付けた工藤はさっさと良太の浴衣をはだけた。
「なっ……! 着替え用に下着は持ってたから普通に履いたんだ……!」
最後まで言わせずに工藤は良太の唇をふさいだ。
良太が執拗な口づけに翻弄されているうちに工藤の指が良太の脇腹をさすりながら、パンツを引き下ろして良太の中心で息づくものを掴む。
「………!!!」
まるで工藤を待っていたかのように良太の身体は勝手にビクンと跳ねた。
程よく酒がまわり、敏感になっていた良太の身体は工藤の指の動きに従順に応えはじめる。
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