切れ切れな言葉が良太の唇からほとばしる。
目尻から零れ落ちる涙に工藤が唇をつけた。
「……俺じゃないやつと………やんなよ……バカヤロ……」
途切れていく意識の中で、良太はそんなことを口走った。
「フン……お前に出ていかれちゃこまるからな……わかったよ……」
良太の耳元に、そんな工藤の言葉が聞こえたような気がした。
数日後には七月を迎える京都の街は朝早くからぐんぐん気温が上がっている。
観光客は引きも切らず、良太は人混みをぬって渡月橋あたりをうろついていた。
携帯で写真を撮ったり、今回もまた猫の世話を引き受けてくれた鈴木さんや良太の怪我を心配してくれたプラグインの藤堂やオフィス佐々木の直子にもと土産を買ったりして、スタッフとの待ち合わせの十二時までゆっくり街の中を歩いていた。
寺の一つもまだ見ていなかったので、ホテルを出てから天龍寺に向かった。
温泉に入ったお陰で身体の調子はいいような、気もするのだが。
朝起こされたのは九時頃だ。
「メシの用意ができてるぞ」
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