天龍寺に入ってみたものの、とにかくやたら広い。
全部をゆっくり見ていたら、打ち合わせに間に合わなくなるし、とにかく有名な天井画だけでも見ておこうと、良太は法堂へと向かった。
どうせ俺は広く浅く、有名なものしか知らないさっ!
心の中で悪態をつきつつ同じ目的だろう観光客に混じって目指す天井画にたどり着いた。
「雲龍図」は著名な日本画家によって描かれたものらしい。
加山、又造? とかっつっても知らないし。
近年の人じゃん。
佐々木さんとかにレクチャーしてもらわないと。
そうそう、藤堂さんなんかも妙に芸術関係詳しいんだった。
でも天井画とか、どうやって描くんだ?
首がおかしくなりそう。
そういえば、バチカンにもあったよな。
良太はしばらくそんなことを心の中で呟きながら天井を眺めていたが、携帯の時刻を見るとギリな時刻になっていた。
庭園などを横目に見ながら寺を出ると、打ち合わせが予定されているホテルへと急いだ。
今回はホテルの宴会場を借り、料亭からの仕出し弁当でランチを兼ねての打ち合わせとなっている。
「お疲れ様です」
「おう、良太ちゃん、今日は嵐山見て回ってたって?」
「あ、はい」
宴会場に顔を出すなり、日比野ににっこり聞かれて、良太は思い切り頷いた。
撮影クルーの面々や志村や奈々といった俳優陣、匠も良太と前後して現れた。
工藤はできるビジネスマンといった雰囲気で、志村、浅沼と話し込んでいる。
ちぇ、すかしてら。
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