風そよぐ25

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「わぁかってる。なんか、去年またタイトル取ってからファンからレターとかモノとかわんさか球団の方に届いてるらしくて、どうしようって俺に言ってくるから、レター以外はそっちで何とかしてくれっての」
「らしくてって、お前な……」
 溜息も出ようというものだ。
 いつぞやMTBのテレビ局で最近バラエティ担当になったプロデューサーと会った時、何とか沢村に番組に出てもらう方法はないかと良太は泣きつかれた。
 良太が関わっている『パワスポ』だけは出てくれるのだが、それが良太と沢村が子供の頃からのライバルで、なんてことが既に他局の制作陣にまで知られているのだ。
 だが、残念ながら特別何かない限り、そういう番組に出るとは思えない。
 オフシーズンなら、球団主催のイベントなどには無理にでも顔を出さざるを得ないようだが。
 これで今制作中のアディノのCMが流れ始めた日には、スポーツ以外のニュースショーなどでもまた騒がれること必須だ。
 一方、スポーツ番組の方では、評論家の大先生たちが、沢村は人気に胡坐をかいているから打率が落ちるのだなどと早速こき下ろされていた。
 打率だって、さっき沢村自身が言ったように、多少の上がり下がりはあるはずで、わかっているだろうにたまに打率が降下すると鬼の首を取ったかのように文句をぶちまける。
 あれはかなり嫉妬の要素が含まれているんだろうと、良太は頷いている。
「プレゼントとかはまあ、仕方ないとして、レターくらいは少しは読んでるんだろうな?」
「たまーにな。ピンクやハート付きの封筒なんかゴミ箱行きだ」
「お前、それ、インタビューとかでぜってぇ言うなよ! レターは大切に読ませてもらってます、たくさんのプレゼントをありがとう、くらいたまには言っておけ!」
「ゲーノー人じゃあるまいし、何でそんなウソっぱち言わなけりゃならねんだ」
 それはわからないでもない。

 


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