「あ、知ってる! 美味しいって聞いたけどまだ食べたことないのよね」
ひとみは早速、パンを調達に行った。
「よく知ってるね、さすが、良太ちゃん」
宇都宮は必要以上に持ち上げてくれる。
「いや、ほら、プラグインの藤堂さん、知ってますよね? あの方の情報網って半端なくって。うちのオフィスに寄る時も必ず美味しいスイーツとか持ってきてくれるんです」
「ああ、藤堂さんか。彼って、女の子にもヤローにも人当たりいいよねぇ。ほら、河崎さんって、ちょっとおっかなそうじゃない?」
宇都宮の指摘に良太は笑いながら頷いた。
「そうそう、まあ、でも仕事に関しては二人とも絶対手、緩めないっつうか」
「元英報堂のエリートでしょ? 確か河崎さんって、すっごい大企業の代表の息子とかだって、前に女の子たちが噂してたよ」
「あ、そう、そうみたいです。藤堂さんもいいとこのお坊ちゃまみたいですけど、あの二人って、まるで今日仕事しないと、明日はご飯が食べられなくなる、って感じで仕事してるんですよ」
ハハハと宇都宮は「確かに、基本だよねぇ、それって」と言ってまた笑う。
「なーに? 何の話? トシちゃん、サンドイッチでいい? はい、良太ちゃんも」
ひとみがいくつかのパンを抱えて戻ってきた。
「いや、ご飯を食べるには仕事しなきゃって、話」
宇都宮はパンを袋から取り出して早速パクっと齧る。
「あ、お茶、持ってきます。何がいいですか?」
「俺、コーヒー、ブラックで」
「あたしも」
良太はスタジオの外へ出ると、自動販売機でブラックコーヒーを三つ買った。
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