風そよぐ59

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 ってか、ほんと俺って何でもかんでも中途半端過ぎねぇ?
 野球でもダメ、俳優なんてとんでもない、俺、工藤の後についていくなんて、よく言ったよな、俺。
 プロデューサーの仕事が面白そうだなんて言って、工藤にせせら笑われたけど、笑われるわけだよ、俺ごとき何かを制作するとか、とんでもおこがましいってやつだよな。
 思い出すと背中がヒヤリとする。
 頭を冷やしてよーく考えると、俺は、工藤に三千万の借金がある身なわけで、月々の給料から差し引かれてるっていうけど、明細みたら千五百万になってる。
 しかも給料やボーナスなんか、全然普通以上だし。
 まあ、あの会社で給料とかに文句を言ってる人いないから、みんなそうなのかもだけどな。
 五年で千五百万返したことになってるって、どういう計算だよ。
 工藤は俺の会社を見くびるなよとか言うけど、住宅ローンだって、三千万なんて、俺みたい庶民、三十五年ローンとかじゃないと無理だぞ。
 身を粉にして働けってことなら、それはいいとして、最低でもあと五年は何でも屋でやらなくちゃだろ。
 もしかさ、工藤が恋人とか、結婚とか、ちゃんとした誰かとどうかなったとして、俺、あの会社で、工藤の部屋の隣の『社宅』で、いくら何でも暮らしていけるかよ。
 俺もアラサーだし、いい加減、ちゃんとしないと、ダメだろう。
 何となく、勝手に佐々木の土地を買ってしまった沢村を怒ったという佐々木の思いもわからないでもない。
 もし仮に、沢村が心変わりしたとか新しい恋人ができたとかした時、気まずいなんてもんじゃないよな。
 かなり高額な土地で、しかももし家なんか建てたりした日には、面倒だよな。
 そりゃ、そん時はそん時、なんだけどな。
 まあ、あの二人には末永くうまくいってもらいたいけどさ。
 俺のことだよ。

 


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