「学校なんか関係ないですよ、第一、俺、もうずーっと野球しかやってこなかったんで、ろくなもんになれないのは、自業自得ってやつです、はい!」
「でもさ、確かに学歴とか関係ないっていうけどさ、T大出たんだよね? それって、ちょっとやそっとじゃ無理っしょ、結構勉強しないと」
突っ込みを入れながら、宇都宮は良太のグラスに日本酒を注ぐ。
「まあ、うち、私立とか入る余裕はなかったし、野球バカだったし、現役の時、国公立受けてダメでもう工場で仕事するって言ったら、オヤジが、今時大学くらい出ておけよって、じゃあ、一年頑張って受からなきゃ終わりってことで、浪人してた時が一番、勉強したかな。うちから通えそうな国公立いくつか受けて、何の間違いか受かっちゃったってくらいで」
当時を思い出して、あの頃はほんと真面目にやったよな、と良太は苦笑いする。
「間違いで受かっちゃったとか言われると、一生懸命勉強してM大に入った時、飛び上がって喜んだ俺が可哀そうな気がするな~」
宇都宮がぼそっと言った。
「トシちゃん、M大だっけ? イケメンでタッパあって性格よくてM大なんて、欲張り過ぎない?」
ひとみは宇都宮にちょっと睨みを入れると、また日本酒をカパカパ自分のグラスに注いだ。
「あ、そうそう、俺も高校もM大でも野球部だったんだ」
「あ、そうでしたね!」
良太は笑って宇都宮を見た。
「まあ、大学では全然ぱっとしなくて、途中から演劇の方に目が行っちゃったけどね」
「それは同じくです。ちょっとでも時間ができたら、高校時代のダチとか沢村とかと、草野球やろうって話してるんですけどね」
それを聞いた宇都宮が、「それちょっとずるくない? 沢村ってあの沢村でしょ? 俺も混ざりたい!」と主張した。
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