ようやく頭の中も目覚め始めて、ひょっとしたら宇都宮の家なのか、と思いを巡らせた。
傍らのラックには上着がきちんとハンガーにかかっている。
「あちゃあ、また、俺、夕べのまま寝ちまったってこと?」
しかもまたベッドに運ばれてるし。
慌てて上着のポケットから携帯を取り出すと、時刻は朝の五時をまわったところだった。
右手のドアを開けるとバスルームになっている。
「すげ、部屋にバスルームつき」
トイレを使い、顔を洗うと、良太は上着を持って、部屋のドアだろうノブをそっと回した。
廊下の向こうにリビングが見えた。
リビングではひとみと須永がソファとカウチにそれぞれ眠っていて、毛布をかぶっている。
昨夜一面の夜景になっていた大きな窓にはカーテンが引いてあって、二人は起きる気配がない。
起こすわけにも行かないが、勝手に帰るわけにも行かないし、どうしようかと思案していると、ポンと後ろから肩を叩かれた。
「…うつ……」
宇都宮が唇に指を立てて、しっ、と遮ったので、良太も口を噤む。
「早いね、酔いはさめちゃった?」
「はあ、もう、俺、夕べすんげく飲んだみたいで、それで、俺、何かやたら管巻いてませんでした?」
小声でこそこそと二人は言い合いながら、宇都宮がおいでというので良太がついていくとキッチンでお湯が沸いていた。
「コーヒー、飲むよね?」
「あ、はい、いただきます」
「二人は寝かせておこう。今日もオフみたいだから」
「宇都宮さんは?」
「俺は午後も遅いから平気」
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