空を見上げると、明るい月がぽっかりと浮かんでいる。
そのまま視線を下げると、青山プロダクションのビルが見え、二階のオフィスにはまだ煌々と灯りがついているのに千雪は気づいた。
「まだ、誰かいてるみたいやな」
千雪がそう呟いた時、ちょうど傍らを滑るように走り込んできた車がビルの駐車場に入っていった。
「おう、やっぱりお前か。今度はその男に乗り換えたのか?」
ビルの前に差し掛かった時、そんな声がかかり、千雪は溜息を一つこぼす。
「高校の同級生です。ええ加減なこと言わんといてください。久しぶりに会うて、近くの店で飲んでたんです」
「ほう? 寄っていけよ。万里子もいるぜ」
「ほんまに? お邪魔します」
千雪より先に三田村がいそいそと工藤の後に続く。
「あ、俺、三田村といいます」
「工藤だ」
おいおい、三田村、お前、そんなにミーハーだったか?
千雪は浮かれまくりの三田村に続いてオフィスへ入った。
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