午後八時のローマの空はまだ明るい。十時でもまだ薄闇だ。
アスカや秋山、藤堂らと軽く食事をとってから、良太はホテルの部屋に戻り、シャワーを浴びるとベッドにもぐりこんでみたものの、神経が疲れすぎているのか今度は眠れない。
ベッドから這い出すと、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して飲みながら、窓から外を眺める。
プラグインが押さえてくれたホテルは五つ星、部屋もそれぞれひとりずつ割り当てられている。
もともと良太の使っている部屋は、尾崎貴司が使うはずだった部屋だ。
広すぎて落ち着かないくらいだ。
工藤は今ごろどうしているんだろう。
あの男や河崎たちと飲んでいるんだろうか。
食事の時、工藤にとってMBC時代の先輩というのが、あの鴻池だと秋山から聞かされ、良太は二人の親密さにようやく納得がいった。
工藤がMBCに在籍中は随分とその先輩に世話になったらしいとは、同じくMBCにいた下柳あたりからも聞いたことがある。
「ま、俺とは世界が違う人だから、いいけど」
あまり近寄らない方がいい人物、のような気がする。
「それより、工藤だよ~! どうすんだよ~、俺ってばよ~」
何でこうなるかなー…まあた喧嘩腰になっちまってさ。
もう俺みたいの面倒だよなー
生意気な口を聞いてごめんなさいと謝ろうと思い、幾度か工藤の部屋の前まで行ったのだが、その度、お前なんかもう知らん、なんて言われたらと思うと勇気がくじけ、すごすご引き返してくる。
なのにまたあんな口を聞いてるし。
でも工藤忙しくしてたし。
よしっ! リヴィエラに行ったら、仕事が済んだら、絶対謝っちまうぞっ!
良太は気合を入れた。
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