けれど、幸也は、おそらくT大に進むつもりに違いない。
彼が受験間際というのに足しげく学校に、いや生徒会室に通うのは、志央と別れる決意を固めているからだ。
幸也の、志央への想いがどれほど深いものか、ずっと幸也を見てきた勝浩だからこそわかる。
幸也の想いは届くことはない。
勝浩の想いも届くことはない。
哀しいな。
勝浩はまた自嘲する。
「どうした?」
「いや、七海、別に俺につきあうことないのに。志央さん怒らせても知らないぞ」
「いいんだ、たまには。………あのさ」
「何?」
勝浩が見上げると、七海は言いづらそうにまた頭を掻く。
「バレンタインデーのことだけどさ」
「チョコ獲得ベストテンのことか?」
「いや、そうじゃなくて、俺が向こうにいた頃」
「カナダにいた頃?」
「そう、俺、ちょっとしたカルチャーショックで。ほら、日本だと、女の子が男にあげる日になってるだろ? てっきりそう思ってたら」
「ああ、ほんとは向こうじゃ、違うんだろ? 意味合いが」
「そう。男がプレゼントとかあげてて。ってか別に男が告ってもいいわけよ」
「……だから?」
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